新譜レコーディング

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リハーサル中

 

先月末頃に新しいアルバムの制作を開始しました。昨年2014年はまったく制作をしなかったので、約2年ぶりです。

今回は長い間あたためていたアイデア、ピアノのデュオ作品です。たけタケと同じようなネタと言われそうですが、一度引き合わせてみたかった清水武志氏と渋谷毅氏、同じ”タケシ”という名前をもつ、ピアニストでもあり作曲家でもある2人がお互いの曲を弾いたらどんな感じになるんだろう?というのが出発点でした。

お二人ともジャズピアニストとしてスタートしていますが、手がける音楽はそこだけには留まっていませんし、作曲された作品もジャズのものから歌もの、童謡のようなものまで(とくに渋谷さんはみんなの歌のシリーズでたくさんの方がお耳にしたことがあると思います)幅広いです。また両者のピアノもまた素晴らしい音色をしています。そんな二人の作品、聴いてみたくないですか?

レコーディングは大阪心斎橋の三木楽器さんの全面的な協力をいただいて、国の登録有形文化財にも指定されている三木楽器の開成館内にあるピアノサロンにて行いました。この開成館、山田耕筰も来館されたことあるという由緒ある建物だそうです。ピアノはここに最近導入されたベーゼンドルファー280とヤマハCFXという2台のコンサートグランド。ぜんぜん違う表情を見せる2種類のピアノの音を聞き比べるのも今回のアルバムの楽しみの一つとなりそうです。

ピアニストにとってもデュオというのはなかなかない経験だそうで(渋谷さんは菊池雅章氏以来だそうです)、ピアノの配置決めが難しかったのですが、結局はお互いの音がよく聞こえて混じる内側向けで行いました。レコーディング技術的には背中合わせのほうが音の分離が良いし、ピアニスト本人もやりやすいのではないかと思われるのですが、そのときどきに出来上がっていく音を、2人の奏でた音の交わりを大切にしたいので、今回は内側向けとしました。ですので録音された音は、まるで大きなピアノが一台あるように聞こえる瞬間があります。

2日間に亘ったレコーディングは終始和やかな雰囲気でした。馴染んだ仲間でやっているというのもありますが、実はほぼ初顔合わせであった渋谷さん清水さんが早々に打ち解けて(もちろん前夜から宴会をしたというのもあるのかもですが)、お互いの曲を教えたあったり比べたり、ピアノを弾き比べたり、一緒にいろいろ弾いてみたりと、いい音を作ろうとしてくださったのが大きかったです。

スタンダードな曲も演奏しましたが、やはり最初の思惑どおりお二人のオリジナル曲を中心にレコーディングしました。デュオで弾いてるもの、相手の曲をソロで弾いたものなど内容は多彩で、どの曲のどのテイクがアルバムに収録されるかはまだわかりませんが、きっといいアルバムが完成させられると確信しています。

出来上がりのその日まで、みなさま楽しみにしてお待ちください!

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譜面の確認をする渋谷・清水両氏

 

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調律の成川氏

 

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毎度おなじみレコーディングエンジニアの猪狩氏